働いて給料をもらえば、それが賃金になるというのは分かりますが、その内容によっては判断に迷うものもあります。
また、現物で支給された通勤定期券や社宅などは賃金なのでしょうか。

目次
- 賃金とは
- 賃金となるもの
- 賃金とならないもの
賃金とは
賃金については、労働基準法に規定があり、「その名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」を言います。
対償とは対価代償ということです。
つまり、労働した対価の代償として受けるすべてのものです。
また、賃金には労働基準法によって保護されるべきものという考えもあります。
よって、任意恩恵的なもの(ただし、就業規則等で支払条件が明確なものは賃金)、福利厚生的なもの、実費弁償的なものは賃金から除外されています。
賃金となるもの
行政解釈により、次のものは賃金となります。
事業主が負担する労働者の税、社会保険料の労働者負担分
労働協約による通勤定期券
ストライキ妥結一時金
労働基準法26条による休業手当
(休業手当)
e-gov 労働基準法より https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049/
第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
退職手当は、労働協約、就業規則、労働契約等によって、あらかじめ支給条件が明確である場合、臨時の賃金等に当たります。
賃金とならないもの
次のものは、賃金になりません。
①任意恩恵的なもの:退職手当、結婚祝い金、死亡弔慰金、災害見舞金
ただし、労働協約、就業規則等により、あらかじめ支払い条件が明確なものについては賃金となります。
②福利厚生的なもの:生命保険料補助金、財形貯蓄奨励金、住宅の貸与(ただし、住宅の貸与を受けない者に対し一定額の住宅手当が支給されている場合には、賃金となります。)
③実費弁償的なもの:役員交際費、旅費、作業服等
上記の①②③以外で賃金とならないもの:労基法20条による解雇予告手当、労基法76条による休業補償、チップ(チップについては、客から直接労働者が受け取るものは賃金となりませんが、チップを一旦事業主が受け取り、後で労働者に分配するようなものは賃金となります。)
今回は、 賃金となるもの、ならないもの について書きました。
住宅の貸与については、労働基準法の賃金には該当しませんが、社会保険の報酬には該当します。
食事の額や社宅の利益の額については、厚生労働大臣が定める「全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)」の表により定められます。
毎年4月に改正されることが多く、令和7年4月にも改正されています。
住宅の家賃等を徴収している場合は、現物給与の価額から徴収額を差し引いた額が現物給与価額となります。
社宅がある場合は確認しておきましょう。
(出典 日本年金機構HP) https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150511.html
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