所定労働時間が法定労働時間より短い場合の法定内所定外残業時間の割増率

今回は、労働時間の割増率についてです。

目次

  1. 所定労働時間が法定労働時間より短い場合の法定内所定外残業時間の割増率
  2. 法律上の割増賃金率
  3. 行政解釈

所定労働時間が法定労働時間より短い場合の法定内所定外残業時間の割増率

所定労働時間が法定労働時間より短い場合の法定内所定外労働時間の割増率は、就業規則等によって定めた方が良いです。

例えば、所定労働時間が1日7時間45分の会社の場合、7時間45分から8時間までの15分間は法定内所定外労働時間となります。

法定内の労働時間ですので、法律上、割増賃金の支払い義務はありません。

しかし、この割増賃金についても「なし」なら「ない」と就業規則等に定めた方がより明確になります。

法律上の割増賃金率

使用者は、法律に基づいて法定時間外労働や法定休日労働をさせた場合であっても、原則として割増賃金を支払わなければなりません。

その割増率は労働基準法に定められており、原則として以下のようになっています。

・法定時間外労働:通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上

・法定休日労働:通常の労働時間の賃金の計算額の3割5分以上

・深夜業(午後10時から午前5時まで):通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上

・月60時間を超える法定時間外労働:通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上

ここでポイントとなるのは、例えば法定時間外労働の場合、2割5分以上であるので、2割5分じゃなくてもいいわけです。

3割でも4割でも良いということになります。

よって、2割5分とするなら、就業規則等に2割5分と定める必要があります。

2割5分以上と就業規則に書いても、それは定めたことにはなりません。

また、重複する場合、例えば法定時間外と深夜業が重複した場合は5割以上、法定休日と深夜業が重複した場合は6割以上となります。

なお、法定休日労働に対する法定時間外労働という概念はありません。

法定休日に8時間以上労働したからといっても、それは法定時間外労働ではなく、あくまで法定休日労働なので3割5分以上のままです。

ただし、それが深夜業に及んだ時は6割以上となります。

行政解釈

・違法な時間外休日労働の割増賃金(平成11.3.31基発168号)

例えば、36協定を締結、届出せずに法定労働時間を延長し、または法定休日に労働させた場合は違法な時間外労働や休日労働となります。
この場合でも、割増賃金の支払い義務は免れません。

・黙示の指示による労働時間(昭和25.9.14基収2983号)

教員が使用者の明白な超過勤務の指示により、または使用者の具体的に指示した仕事が、客観的に見て正規の勤務時間内ではなされ得ないと認められる場合のごとく、超過勤務の黙示の指示によって法定労働時間を超えて勤務した場合には、時間外労働となります。

「帰れ」と言わないと黙示の指示になることになります。

今回は、割増賃金についてでした。

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