労働社会保険に関する手続きの申請を電子申請でやるべきか、紙の申請にすべきか、どちらがいいのでしょうか。
従業員数や手続きの頻度によることになりますが、今回は社労士目線で考えてみます。

目次
- 新規適用届の1回目は紙で窓口提出がおすすめ
- その他の書類については1回目は紙の提出がいい
- どちらでもできるようにした上で、電子申請の方が効率がいい
新規適用届の1回目は紙で窓口提出がおすすめ
仮に新規適用届けの提出が人生で初めてであるなら、紙で年金事務所の窓口に直接提出するのがおすすめです。
住所のふりがなや謄本の住所と代表取締役の現住所が異なる場合の書き方や、月をまたいで提出した場合で株主総会の議事録を添付する場合の議事録の書き方など、細かい点で差し戻しとなる可能性があるからです。
これは年金事務所によっても多少違うかもしれません。
窓口の方に不備を全部指摘してもらってその場で修正すれば、待ち時間があってもその日のうちに提出できます。
これが電子申請となると、4月などの繁忙期などは返礼(差戻し)までにそれなりの時間がかかります。
健康保険を使って医者にかかれない期間は、出来る限り短くしたいものです。
現在、雇用保険の紙での申請に社印は不要になっていて、先日提出した雇用保険適用事業所設置届も印鑑不要でした。
また労働保険の書類記入は社会保険の新規適用届けに比べると、ゆるいところがあるかもしれません。
労働保険の保険関係成立届を窓口で提出しましたが、後で成立届の裏側の社労士記入欄が未記入で書類提出日も未記入であることに気づきました。しかし、労働保険番号は振り出してもらえました。
その他の書類については1回目は紙の提出がいい
その他に書類についても、1回目は紙で申請するようにしています。
紙で書いた方が自分の頭で考えて書きますので、書き方を理解しやすいからです。
その場合は、窓口持参でも郵送でもどちらでも構わないでしょう。
例えば、社会保険の新規適用と労働保険の保険関係成立届けを紙で申請すれば、社保と雇用の取得届も1回は紙で提出したことになります。
以降は電子申請でいいと思います。
どちらでもできるようにした上で、電子申請の方が効率がいい
その後は手続き業務をメインとするならどちらでもできるようにした上で、電子申請の方が効率がいいと思います。
窓口提出ですと、窓口までの往復の時間がかかりますし、郵送でも郵送代がかかります。
電子申請の方が時間的にもコスト的にも有利です。
ただし、繁忙期などで電子申請より、窓口持参の方が早い場合もあります。
状況により、両方を使い分けられるとよりいいです。
電子申請には2つの申請窓口があります。
e-govとマイナポータルです。
e-govはデジタル庁が運営する行政情報のポータルサイトのことで電子政府の総合窓口と位置付けされています。
マイナポータルは同じくデジタル庁が運営する行政情報のポータルサイトのことで、情報提供等記録開示システムと位置づけられています。
電子申請と言うとe-govというイメージがありますが、健康保険組合への電子申請はe-govは対応しておらず、マイナポータルでのみ可能となっています。
ただし、健康保険組合自体がまだ電子申請に対応していない場合もあります。
健康保険組合が電子申請に対応しているかどうか確認する必要があります。
電子申請方法は3種類あります。
1 政府が運営するe-govアプリケーションを利用(窓口 e-gov)
2 政府が提供する届け書作成プログラムを利用(窓口 マイナポータル)
3 電子申請に対応した市販の業務ソフトを利用(窓口 e-gov、マイナポータル)
手続き件数が少ないようであれば申請データ入力の頻度も少ないため、業務ソフトを導入しなくても、e-govアプリケーションを利用しての電子申請で十分だと思います。
今回は電子申請について書きました。
電子申請について調べたり勉強したりすることもいいですが、あまり先回りして神経質になりすぎないことです。
ある程度の仕事量となってから準備しても十分に間に合うと思います。
まずはお客さんに配慮すること、価値提供することを第一に考えましょう。
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