労災の給付請求書の提出先についてです。
請求書の提出先は、所属事業所を管轄する労働基準監督署、または労災指定医療機関等ですが、意外と迷いやすいケースもあります。

目次
- 支店、営業所等の所属労働者の場合
- 建設業で工事現場で負傷した労働者の場合
- 複数事業労働者の場合
支店、営業所等の所属労働者の場合
それぞれの支店、営業所などの所在地を管轄する労働基準監督署へ、労災請求書を提出します。
継続事業の一括認可はあくまでも保険料の申告納付に関する事務を一括するもので、労災保険の受給に関する事務は一括されません。
継続事業の一括認可を受けている支店、営業所などの所属労働者の労災請求手続きにあたっては、請求書に記載するのは、本社(指定事業)の労働保険番号です。
建設業で工事現場で負傷した労働者の場合
建設工事など請負関係の下で行われている事業においては、請負事業の一括によりその事業が1つの事業とみなされて元請負人のみがその事業の事業主となります。
事業の定義からすれば、それぞれの建設現場が1つの事業ということになりますが、現場で労災事故があって労災請求書を提出する場合においては、当該現場が単独有期事業か、一括有期事業かで異なってきます。
単独有期事業の場合:現場所在地を管轄する労働基準監督署
一括有期事業の場合:元請事業場の所在地を管轄する労働基準監督署
複数事業要因災害の場合
複数事業労働者の労災事故に伴っての労災請求書は、災害発生事業場の所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。
複数事業要因災害としての労災請求書は、就労する事業場のいずれかの事業場を管轄する労働基準監督署へ提出することになります。
ここでいう複数事業要因災害とは、脳・心臓疾患、精神障害及びその他2以上の事業の業務を要因とすることが明らかな疾病です。
例えば、3箇所の事業所で働いていたとしても、どこか1箇所の事業所を管轄する労働基準監督署に提出すれば良いということです。
今回は、 労災の給付請求書の提出先はどこか? ということについて書きました。
誤った提出先に送付することは、請求人への給付事務(不支給の場合は通知の送付)が遅れることになります。
また、提出後の認定調査に対応するために、請求書のコピーは必ず取っておきましょう。
労災事故はいつ発生するかわかりません。
迅速かつ適正な労災事務処理の参考として頂けますと幸いです。
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