離婚時に年金分割をすることができますが、その請求期限が令和8年4月から延長されます。

目次
- 離婚時の年金分割制度の請求期間の伸長
- 合意分割
- 3号分割
離婚時の年金分割制度の請求期間の伸長
年金分割とは、婚姻期間にかかる厚生年金の計算のもととなる保険料の納付記録(標準報酬)を分割する制度です。
厚生年金そのものを分割するのではなく、保険料納付記録を分割することで、老後に受け取れる厚生年金の額が変わる仕組みになっています。
年金分割の請求期限については、民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が2年とされていることを踏まえ、これまで2年に設定されていました。
しかし、民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が2年から5年に延長されることにともない、離婚時の年金分割の請求期限についても5年に延長されます。
令和7年6月20日に交付された年金制度改正法では、施行日を交付日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日としていましたが、施行日を令和8年4月1日と定める政令が11月6日に交付されました。
婚姻期間中の働き方によって、夫婦の年金額には大きな差がでることがあります。
たとえば、夫は会社員で厚生年金に加入、妻は専業主婦で国民年金のみに加入していた場合、妻の老後の年金はかなり少なくなります。
年金分割をすれば、妻は夫の厚生年金を分けてもらい、将来の年金額を増やすことができます。
なお、基礎年金の額には影響しません。
合意分割
離婚時の年金分割には、合意分割と3号分割の2種類あります。
合意分割とは、夫婦の合意により年金分割を行う方法です。
離婚分割と呼ばれることもあり、厚生労働省の資料でも離婚分割となっています。
婚姻期間中の夫婦の厚生年金記録を合算して任意の割合で分けられます。
しかし、その分割割合は厚生年金の少ない側の割合が下限で、上限は2分の1です。
3号分割
3号分割は、配偶者が会社員や公務員で2008年(平成20年)4月以降扶養に入っていた期間(第3号被保険者だった期間)がある人が利用できる制度です。
当該期間の配偶者の厚生年金記録の2分の1を自分のものにできます。
合意は不要で、第3号被保険者の請求のみで手続可能です。
離婚したけれど、手続しておらず、まだ間に合うなら手続しておきましょう。
今回は、 離婚時の年金分割制度の請求期間の伸長 について書きました。
この制度は、厚生労働省の資料によると令和6年度で離婚組数の約2割しか利用されていません。

言葉の定義など、しくみが複雑でわかりにくいことも利用されない要因の1つと推察できます。
同じ資料によると、離婚分割で、平均1カ月当たり約3.4万円(令和6年度)増加しているそうです。

配偶者の同意を得なくてもできる3号分割のみに限ると約0.8万円(令和6年度)だそうです。

同意して3号分割した方が額が多い傾向にあります。
離婚分割において按分割合を合意できないときは、調停や申し立てで家庭裁判所が按分割合を定めることも可能となっています。
あきらめずに手続することをおすすめします。
令和8年4月からは、年金分割の手続をする場合、離婚して5年までは請求可能になります。
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