今回は年金生活者支援給付金のお話です。
- 年金生活者支援給付金とは
- 支給要件は
- 住民税非課税世帯とは
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金とは、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給するものです。年金生活者支援給付金の支給に関する法律を根拠としています。年金生活者支援給付金の支給に関する法律の第1条は次の通りとなっています。
(目的)
第一条 この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。
※ e-gov 法令検索より https://laws.e-gov.go.jp/law/424AC0000000102
年金とは違いますので、あまり聞いたことがないかもしれません。
給付額
月額5,450円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出され、次の(1)と(2)の合計額となります。※1
- (1)保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5,450円 × 保険料納付済期間※4 / 被保険者月数480月※6
- (2)保険料免除期間に基づく額(月額) = 11,551円※5 × 保険料免除期間※4 / 被保険者月数480月※6
給付基準額の5,450円は、令和7年4月時点の金額です。物価指数により改訂されます。
※1~※6は、生年月日や保険料免除期間の種類等により、変わる部分です。詳しくは、厚生労働省の以下のページをご覧ください。
出典 厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/system.html
支給要件は
以下のすべてを満たしている方が対象です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である。
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれた方は889,300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は887,700円以下である。
※前年の公的年金等の収入金額に障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
令和7年度の老齢基礎年金の満額が、831,700円/年です。自営業者等で厚生年金保険の加入期間が短ければ、3番目の要件は満たす可能性があります。
厚生年金保険の加入期間が短ければというのは、例えば、会社勤めが10年未満でその他に免除期間等もなく、老齢厚生年金の受給資格がない場合です。
住民税非課税の要件
住民税と市町村民税の関係ですが、
住民税 =「道府県民税」+「市町村民税(市民税)」
となっています。ただし、東京23区の場合は、
住民税 =「都民税」+「特別区民税」
となっています。よって、住民税非課税に該当すれば、市町村民税非課税に該当します。そして、住民税ですが、所得割と均等割りに区別されます。
住民税が所得割と均等割ともに非課税になる要件は、東京23区の場合、
- 生活保護法による生活扶助を受けている場合
- 障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4,000円未満)の場合
- 前年の合計所得金額が下記の金額以下である場合(東京23区内の場合)
<同一生計配偶者または扶養親族がいる場合>
・35万円 × (本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数) + 31万円
<同一生計配偶者または扶養親族がいない場合>
・ 45万円
となります。なお、住民税が非課税になる金額はお住まいの地域によって少々変わります。気になる場合は自治体ホームページ等で確認されることをお勧めします。
今回は、年金生活者支援給付金という、あまり知られていない給付金の話でした。世帯全員が市町村民税非課税である等の要件があり、金額は月額5,000円位です。
対象になりうる方には日本年金機構から案内が郵送されるはずですが、案内がないけど自分は対象者じゃないか、等の疑問があれば確認されるといいと思います。