今回は、介護休業給付金についてです。
この手続きについては、支給申請の提出者は被保険者を雇用している事業主とされていますので、事業主は知っておく必要があります。

目次
- 介護休業給付の概要
- 提出書類
- 添付書類と提出先と提出時期
介護休業給付の概要
介護休業給付金の支給対象者は、対象家族を介護するために介護休業を取得した被保険者です。
対象家族とは、負傷、疾病、身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上常時介護を必要とする
配偶者(事実婚含む)
子(養子も)
父母(養父母も)
孫
祖父母
兄弟姉妹
配偶者の父母(養父母も)
です。
介護を必要とする状態であればよく、介護保険の要介護〇級などに該当している必要はありません。
また、お年寄りを介護するイメージがあるかもしれませんが、子供の介護でも使えます。
支給要件は以下の通りです。
1 休業開始前2年間にそれなりに働いた日が12ヶ月以上あること。
それなりに働いた日とは、賃金支払基礎日数が11日以上の月、11日以上の月が12か月以上ない場合は就業時間が80時間以上の月のことです。
2 開始日から1ヶ月毎の各期間の初日から末日まで被保険者資格があること。
3 支給単位期間のうち就業していると認められる日が10日または80時間以下であること。
4 最終月は3の要件プラス全日休業日が1日以上あること。
5 支給単位期間に支給された賃金が、休業開始時の賃金月額の80%未満であること。
6 期間を定めて雇用される者は、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでないこと。
補足事項
1 介護休業開始前2年間に疾病・負傷等の理由により引き続き30日以上賃金の支払いを受けなかった場合は、これらの理由により賃金の支払いを受けなかった日数を追加できます(加算後最大4年)。
2 介護休業を開始する時点で、介護休業終了後に離職することが予定されている場合は対象外となります。
3 支給単位期間の途中で離職した場合、当該支給単位期間は支給不可です。
支給額
原則:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
1 賃金が休業開始時賃金日額 × 支給日数の
13%以下 ・・・賃金月額の67%
13%を超えて、80%未満 ・・・賃金月額の80%相当額と賃金の差額
80%以上 ・・・支給なし
(支給日数は30日です。ただし、最終日の属する期間については支給対象期間の日数です。)
2 支給限度額 上限額356,574円(令和7年8月1日現在)
受給できる期間
1 支給対象となる同じ家族について、93日を限度に3回までです。
2 介護休業開始日から翌月の応答日の前日までの1か月を支給単位期間とします。
提出書類
「 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」
と
「介護休業給付金支給申請書」
です。

上が、賃金月額証明書です。
赤字のように、上部の「所定労働時間短縮開始時賃金証明書」の部分を二重線で消し、右上の「介護」を〇で囲みます。
その下の「賃金支払い状況等」の部分は、離職証明書(左側)の構造と基本的に同じです。

上が、支給申請書です。
緑色の囲みは被保険者本人が、記載します。
ただし、事前に本人より申請についての同意があれば「申請について同意済み」と記載して署名を省略することもできます。
青い囲みの部分に賃金締切日、支払日、通勤手当等の欄がありますので、忘れずに記載します。

添付書類と提出先と提出時期
添付書類
- 本人が事業主に提出した介護休業申出書
- 対象家族の氏名、申請本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類(住民票記載事項証明書等)
被保険者と介護対象家族が同一世帯にあり、申請時に双方のマイナンバーを記入した場合は続柄を確認する書類を省略できます。 - 銀行通帳の写し(手書きで申請書を作成する場合以外は不要)
- 賃金台帳、出勤簿等

提出先
事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(電子申請可)
提出時期
各介護休業の終了日(介護休業期間が3ヶ月以上にわたるときは介護休業開始日から3ヶ月を経過する日)の翌日から起算して2ヶ月を経過する日の属する月の末日まで。
補足事項
申請期限までに申請を行うことが原則ですが、申請期限を過ぎた場合でも、時効が完成するまでの期間(2年間)については申請可能です。
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