結論から言いますと、 労災保険審査請求制度とは 、比較的大量の処分を効率的、専門的に行う仕組みのことです。

目次
- 労災保険審査請求制度とは
- 制度の概要
- 不服申し立ての前置
労災保険審査請求制度とは
労災保険の保険給付の決定に文句のあるときはどうしたらいいのでしょうか。
行政庁の処分に不服のあるものについては、一般的に行政不服審査法により不服申し立てを行います。
しかし、労災保険法の保険給付に関する処分は、比較的大量に行われ、その審査にあたり専門的知識等を要求されることから、その処分に不服がある場合には、行政不服審査法の特例法である労働保険審査官及び労働保険審査会法の規定に従って、不服申し立てを行うことになっています。
この場合の不服申し立てについては、審査請求及び再審査請求の2審制度をとっています。
したがって、保険給付に関する決定に不服のあるものは、まず労働者災害補償保険審査官に審査請求をし、その決定に不服があるものは労働保険審査会に再審査請求をすることができます。
制度の概要
保険給付に関する決定に不服があるものは、労働者災害補償保険審査官に対して3ヶ月以内に、文書または口頭で審査請求をすることができます。
労働者災害補償保険審査官は、厚生労働大臣が任命し、各都道府県労働局に置かれています。
そして、審査請求の決定にさらに不服があるものは、再審査請求を請求することもでき、または裁判所に処分取り消しの訴えを起こすこともできます。
労働保険審査会は9名の委員で組織され、その委員は法律または労働保険に関する学識経験を有するものから、両議院の同意を得て厚生労働大臣が任命します。
労働保険審査会は厚生労働大臣の所轄の下に置かれます。
再審査請求は文書でしなければなりません。

不服申し立ての前置
保険給付に関する処分取り消しの訴えは、当該処分に関する審査請求に対する労働者災害補償保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができません。
労働者災害補償保険法による保険給付は、同法所定の手続きにより行政機関が保険給付の決定をすることによって給付の内容が具体的に定まり、受給者はこれによって初めて政府に対しその保険給付を請求する具体的権利を取得するものであり、従って、それ以前においては具体的な一定の保険給付請求権を有しないとする最高裁判例があります。
(出典 厚生労働省 青森労働局) https://jsite.mhlw.go.jp/aomori-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/rousai_hoken/hourei_seido/_119875.html
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