今回は、退職者に渡すものや、逆に退職者から受け取るものについてです。

目次
- 退職者に関するチェックリストを作成するなら
- 健康保険資格喪失証明書
- その他、退職者に知らせること
退職者に関するチェックリストを作成するなら
チェックリストを作成するのはもちろん義務ではありませんが、退職の時に社員から返却を受けるものや、逆に渡すものをリストアップしておけば、漏れがなく手続きすることができます。
例えば、次のように作成します。

これは会社によって違ってきますので、個別に欄を追加、または修正して作成することになります。
健康保険資格喪失証明書
必ずしも会社に作成義務はないのですが、このリストの中で健康保険資格喪失証明書は忘れずに作成し、退職者に渡したいものです。
社会保険喪失連絡票とか、健康保険喪失連絡票とか、健康保険・厚生年金保険喪失証明書などと呼ばれることもありますが、基本的には同じものです。
例えば、会社を辞めて国民健康保険の資格取得の手続きをする時に、会社の発行した健康保険資格喪失証明書、または雇用保険の離職証明書が求められます。
雇用保険の離職証明書がすぐに発行されれば良いのですが、給与締め日と退職日との関係により、1ヶ月以上かかることも珍しいことではありません。
すると、退職者は会社の発行した証明書がないと国民健康保険の加入の手続きが取れないことになります。
私自身、退職した会社から証明書が発行されず、1ヶ月以上歯医者に行くことができず、不安だった経験があります。
もちろん会社に請求すればいいのですが、言いづらいこともあります。
退職者から求められなくても作成し、送付したいところです。

上図は、作成例です。
特に決まったフォーマットがあるわけではありませんので、会社独自で作ることができます。
給与ソフトにこの書類の出力機能があるなら、それを使ってもいいと思います。
市区町村によっては、書式を公開している自治体もありますので、それを使ってもいいでしょう。
退職者が書式を指定してくるのであれば、その書式で作成すればいいと思います。
その他、退職者に知らせること
その他に知らせるべきこととして、健康保険、国民年金、雇用保険、住民税の手続きがあります。
年金の受給権がある人の場合は、裁定請求手続きや年金受給の手続きもあります。
これらのことは会社の義務ではないので、全部お知らせしてくれる会社や、全くしてくれない会社もあります。
最低でも健康保険の手続きについては、退職者にお知らせしたいところです。
健康保険については、家族の健康保険の被扶養者になる、任意継続被保険者になる、国民健康保険に加入する、といった選択肢があります。
| 加入条件 | 書類提出先 | 提出期限 | |
|---|---|---|---|
| 家族の健康保険の被扶養者 | 年収要件を満たし、主として被保険者である家族により生計を維持されていること | 家族である被保険者の勤務先の人事担当者 | 原則、退職日の翌日から5日以内 |
| 任意継続被保険者 | 退職日の前日まで継続して2カ月以上健康保険に加入 | 加入していた健康保険組合(協会けんぽは各都道府県支部) | 退職日の翌日から20日以内(締め切りは厳密) |
| 国民健康保険 | 国内に住所がある | 住所地の市区町村役場 | 退職日の翌日から14日以内 |
今回は退職者に関するチェックリストについて書きました。
辞めた社員に手間暇をかけることは損なことだからやらない、という考え方もあるかもしれません。
しかし、一定期間働いてくれた社員であるなら、気持ちよく手続きし、気持ちよく送り出したいものです。
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