今回は、 出産手当金支給申請の流れと産前産後休業取得者申出書で留意すべきこと について書きます。
会社員で全国健康保険協会の場合です。

目次
- 申請手続きの概要と流れ
- 出産手当金支給申請書の記入
- 産前産後休業取得者申出書の留意事項
申請手続きの概要と流れ
概要
原則として添付書類は不要となっています。
出産手当金の支給額についてですが、1日あたり、「支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額の平均額」÷30日×3分の2となっています。
そして、傷病手当金の額が出産手当金の額より多ければ、その差額を支給するとされていますので、傷病手当金の支給申請漏れには注意が必要です。
流れ
出産手当金の申請は、従業員側と会社側それぞれ対応することがあります。
(1)【会社】産前産後休業の申請を受ける従業員から妊娠の報告を受けたら、産前産後休業の規定を説明し、産休取得の希望を確認します。
産前産後休業は休業届がなくても法的には取得可能ですが、期間を正確に把握するために、産前産後休業申請書などを準備し、従業員に書いてもらうようにしましょう。
(2)【会社】出産手当金の申請に必要な書類を準備し従業員に渡します。
協会けんぽや健康保険組合のホームページから出産手当金の申請書類をダウンロードし、必要な添付書類を確認します。
医師等の記入が必要な部分もあるため、産休に入る前に従業員に渡しておくとスムーズです。
(3)【従業員】必要事項を記入する申請書を受け取った従業員は、被保険者情報を記入します。
(4)【従業員】病院で医師の意見欄の項目を記入してもらいます。
(5)【会社】申請書の3ページ目の事業主証明欄を記入します。
(6)【会社・従業員】保険者に必要書類を提出します。
従業員の産休が終わった後、申請書等の必要書類を協会けんぽまたは健康保険組合に提出します。
出産手当金支給申請書の記入
実際の申請書への記入にあたっては、協会けんぽのホームページにある手引きがとてもよくできていて、これを参考にして書けば、それほど難しいことはありません。




事業主証明欄について
賃金台帳や出勤簿の申請書への添付は不要になっていますが、賃金台帳、出勤簿の入手や確認は必要です。
事業主証明欄の記入にあたっては、これをもとに記入することになります。
ポイントとしては以下の事項です。
(1)給与の締め切り日と支払日の確定(欠勤控除額精算の時期の確定)
(2)給与支給・内容の確認
(3)欠勤控除の算出方法はどうなっているか
(4)有給休暇取得日以外で全額支給されている手当がないか
例えば、通勤手当、住宅手当、家族手当等
(5)資格取得直後(原則として1ヵ月以内)の請求ではないか
この場合、資格取得時調査書の添付が必要になります。
※保険者側から見れば、逆選択(健康保険の給付を受けたいために資格取得すること)に該当すると判断されるため、添付書類の提出が必要となります。
出産日が出産予定日と異なった場合の取り扱い
実際の出産日が出産の予定日より3日早まった場合でも、出産予定日の42日前から休業していれば、出産日以前の出産手当金の支給日数は42日となり、産前42日分+産後56日分=合計98日分の出産手当金が受給できます。
実際の出産日が出産予定日より遅れた場合は、遅れた期間を産前に含めて支給します。
原則98日+遅れた日数分の支給が受けられます。
(多胎妊娠の場合は、産前が98日で産前産後で計154日)
医師の意見欄について
医師の意見書の不備や空欄をチェックします。
(1)出産者氏名
(2)出産予定年月日
(3)出産年月日
(4)証明日等の記入漏れ
(5)証明日等の時系列の整合性
産前産後休業取得者申出書の留意事項
産前産後休業取得者申出書を提出すれば、産前産後休業期間中の保険料の免除を受けることができます。
予定日より早く産まれた場合は、変更届を出すと1ヶ月産前免除が増える可能性があります。
例えば、4月1日から産休取得で、出産日が予定日より5日早まった場合で、かつ3月末に有給かまたは土日で会社を休んでいた場合です。
この場合は、3月の社会保険料が手続きにより免除になります。
3月31日に出勤していたら、3月に免除月が繰り上がることはありません。
しかし、3月30日、31日が例えば土日だったりすると、保険料免除が3月に繰り上がります。
欠勤でも有給でも出勤していないのであれば、免除が1ヶ月繰り上がるということです。
特に、申出書を2回提出する会社の場合に、予定日より早く生まれた場合には、月末に出勤しているかどうかを確認することが必要となります。
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