今回は、 一般被保険者の労働保険料の負担と賃金からの控除 についてです。

目次
- 労働保険料の負担
- 雇用保険二事業とは
- 賃金からの控除(徴収法32条)
労働保険料の負担
労働保険料については、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(以下徴収法といいます)31条に規定されていて、以下のようになっています。
A.労災保険
事業主が全額負担します。
B.雇用保険
(1)一般保険料の負担
ア 被保険者負担分
雇用保険に係る被保険者の負担すべき額は、一般保険料のうち雇用保険率に応じる部分から二事業に係る率分を控除した額の2分の1の額を負担します。
イ 事業主負担分
被保険者の負担する部分を控除した額を負担します。
ただし、海外派遣者の特別加入に係る第3種特別加入保険料は、すべて事業主が負担しますので、留意が必要です。
雇用保険二事業とは
雇用保険二事業とは、失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発などに資する雇用対策を行う事業のことです。
雇用安定事業と能力開発事業の2つに分けられます。
労働者が失業したときの基本手当等の失業等給付とは別で、失業等給付の給付減を目指しています。
直接の失業対策ではなく、間接的な失業対策といったところでしょうか。
賃金からの控除(徴収法32条)
徴収法32条は以下のような規程です。
事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、前条(徴収法31条)の規定による被保険者の負担すべき額に相当する額を、当該被保険者に支払う賃金から控除することができる。
徴収法32条
この場合において、事業主は労働保険料控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該被保険者に知らせなければならない。
労働保険料のうち雇用保険の保険料は、その被保険者負担分につき、賃金を支払う都度、その者の賃金から控除することができます。
この賃金からの控除は、賃金に応ずる額についてのみ行うことができます。
したがって、例えば、月給制で毎月賃金を支払う場合に、毎月控除せず1ヵ月おきに2ヶ月分に相当する被保険者負担の保険料額をまとめて控除することはできません。
また、賃金が月2回払いである場合、当該月2回の賃金の支払いの都度、当該賃金額に応ずる被保険者負担の保険料額を控除しなければならず、1回分の支払賃金から1ヵ月分に相当する被保険者負担の保険料額をまとめて控除することはできません。
徴収法32条の「計算書を作成し、」というのは、一般的に給与明細で代用していると思います。
給与明細書を作成し従業員へ渡すことは、法律上も義務となっているということです。
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