先日お客様が、会社にいれば安定しているのに、なぜ辞めたんですか?とおっしゃいました。
- 引き継ぎに関する理由
- その他の理由
- よかったか、悪かったかは、すぐに決めない
引き継ぎに関する理由
一言でいうと、会社員が辛く、耐えられなかったから、ということになります。
2024年6月に、当時勤務していた社労士事務所をわずか5カ月で退職しました。直近3カ月で法定外残業時間が計210時間を超えていました。残業時間が減少する傾向も見通しもありませんでした。
具体的には、以下のようなことがありました。箇条書きです。
引き継いだ前任者の給与計算ミスや配慮不足からクレームになり、その対応にかなりの時間と神経を使うことになりました。
具体的には、前任者が産休者の給与を間違って支給していて、そのことに数カ月気が付きませんでした。前任者は退職してしまい、引き継いだ自分が対応せざる負えなくなりました。
役員報酬が下がっても4カ月目になって初めて社会保険料が下がるのですが、そのことの前任者の説明が不十分で、やはり引き継いだ自分が対応せざる負えなくなりました。
自分が担当した会社の中の5社くらいは、実質2週間程度の引き継ぎ期間しかありませんでした。
派遣の労使協定のこれまでのやりかたを引き継ぐ時間がなく、上司に聞けるとは思うのが、約1年後まで、ずっとモヤモヤした気持ちが続くことになりました。
自分は、2人から引き継ぎましたが、そのうちの1人は通常事務所に出社せず、聞きづらい、または聞くのに時間がかかる状況でした。
たとえば、引き継いだ会社の労災の保険関係について電話で聞いたところ、私の時も十分な引き継ぎがなかった、旨を言われ、教えてもらえませんでした。
2人のうち、もう1人は退職しており、結局、ほぼ誰にも聞けない状況となり、通常より仕事に時間がかかることになりました。
その他の理由
もちろん、自分が不慣れなこともあるのですが、全体的に仕事が非効率になり、時間が余計にかかりました。
たとえば、パソコンの給与ソフトのインストールがうまくいっていないようで、余計な通知がモニターに現れます。それがかなり目障りで、クリックして消していたのです。消してもまた現れ、根本的な解決ができませんでした。日によっては数十回もクリックして消していました。
また、パソコン内の資料の保存方法も理解できませんでした。途中からは開き直って自分のやりやすい方法で公文書の保存をするようにしましたが、やはり過去の資料を探すのにはとても時間がかかりました。
事務所が狭く、机で仕事をしていると、背中を人が通る時に、椅子が押されることがありました。
また、同僚の1人は話が長く、時間を割かれました。新入りということも手伝って、話を遮ったり、無視したり、ということができませんでした。
メールに関するミスをしました。これってダメージ大きいです。
当時は「定額減税」があり、この問合せに対してうまく対応できずに、クレームになりました。
クライアントからの担当を変更してくれとの苦情があり、担当の変更をさせられました。苦情があって担当が減るのならいいのですが、変更になるだけなので仕事は楽になりません。
また、上司からも、給与計算の効率化がなぜできないのか、という旨の指摘を受けました。しかし、忙しすぎると効率化は出来ません。
そもそも、採用の時点でミスマッチがあったかもしれません。
よかったか、悪かったかは、すぐに決めない
最低でも3カ月は続けよう、その時点で辞めるかどうかを判断しよう、と当時思っていました。
そして3か月後に、今の状況で年度更新や算定の時期は超えられない、と考え、辞めることにしました。決して戦略的積極的選択ではなく、今の状況を終わらせるための選択でした。逃げるように辞めたわけです。
辞めずに続けた結果、健康を害して働けなくなったら、元も子もありません。
また、自信は数字では表せないし、目でみることもできませんが、生きる上での大事な資産だ、と自分は思っています。しかし、このまま仕事を続けると、さらに自身を失いそうだと感じました。
当時20社強を担当していました。最初に10社くらいを引き継いだあとの2回目の引き継ぎの時点で、2回目の引き継ぎはもう少し時間的猶予が欲しい、と交渉をしていればよかったのかもしれません。担当を増やす話の前兆を予想して、心の準備をしておけばそれもできたかもしれませんが、当時は予想していませんでした。
辞めた判断が良かったのか、悪かったのかは、すぐに答えを出さなくていいと思っています。5年後や10年後に答えが出るかもしれません。人生、良い悪いの二者択一で決められるほど、単純なものでもないですし。