離職証明書の提出時に大切な3つのこと

雇用保険の被保険者が会社を退職した場合、事業主はハローワークへ資格喪失届に添えて離職証明書を提出します。被保険者が58歳以下の場合は、本人が希望しなければ提出は不要です。しかし、意思確認をしていなかったり、希望しないとの明確な本人の意思表示がない場合、離職証明書を提出することになります。
離職証明書の提出時に大切なことを、離職証明書に記載しない賃金、賃金額の記載欄、提出時期の3つに絞って解説します。

目次

  1. 記載しない賃金
  2. 賃金額の記載欄
  3. 提出時期

記載しない賃金

離職証明書に記載できる賃金は、雇用保険法上の賃金から、つぎの1及び2を除いたものになります。

  1. 臨時に支払われる賃金
  2. 3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金

退職手当として賃金を払った場合、1に該当しますので、記載しません。

賃金額の記載欄

離職証明書の「⑩賃金支払対象期間」欄の右の「⑫賃金額」欄に賃金額を記載しますが、ここには⑩欄の期間に計算対象となった実労働分の賃金を記載します。⑩欄の期間に支給日の到来する賃金ではありません。社会保険(健康保険、厚生年金)と混同しないようにしたいです。よって、同じ対象期間でも残業代等の変動給部分と基本給部分との支給月が異なる場合は、割り戻しします。

出典 厚生労働省 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-hellowork/content/contents/001901755.pdf

提出時期

離職証明書は、離職日の翌日には提出可能です。

可能な限り速やかにハローワークへ提出し、本人が離職票を速やかに手にすることができるようにしたいものです。特に会社が「退職証明書」を発行していない場合はなおさらです。健康保険の切り替えがスムーズにいかないケースがあるからです。自分の場合、国民健康保険への切り替えの際、会社の発行した「退職証明書」または、「離職票」の提出を役所から求められました。歯医者に通院しており、「退職証明書」を発行していない会社だったため、「離職票」が来るのを不安な気持ちで待っていました。

また、基本手当を受給する場合は離職票を持ってハローワークに出頭しますが、離職票を早く手に出来れば、早く出頭できます。出頭した日から受給スケジュールがスタートしますので、早い方が有利です。要件を満たせば、マイナポータルへの離職票の直接交付も開始されています。

残業代の計算等で直近の賃金額がすぐに確定しない場合、賃金の支給日を待つことなく、「⑫賃金額」欄を未計算と記入することも可能です。
ただし、「未計算」と記載できるのは、離職日と賃金締切日が異なるため最終月が完全月ではないが、他に完全月が6ヶ月ある場合です。

完全月とは、⑧又は⑩欄の対象期間が「6月1日~6月30日」「6月23日~7月22日」のように1ヶ月間となる期間であり、かつ、⑨又は⑪欄の賃金支払基礎日数が11日以上となる月のことです。