公務員に労働基準法は適用されるのか についてです。

目次
- 一般職の公務員
- 労働基準法第2条とは
- 特別職の公務員
一般職の公務員
労働者を使用する事業であれば、原則として、国、都道府県、市町村のような公共団体の事業であっても、労働基準法及びこの法に基づく命令が適用されます。
労働基準法は、施行当初は国、都道府県、市町村など公共団体すべてに全面的に適用されることとなっていましたが、その後、国家公務員法及び地方公務員法等の制定により、一般職の公務員については、この適用が排除されたり制限されたりしています。
一般職とは、特別職以外の職のことです。
一般職の国家公務員には、労働基準法及びこれに基づいて発せられる命令は、原則として適用されません。
一般職の地方公務員には、一部適用、一部適用除外となっています。
適用除外となるのは次のような規定です。
法2条(労働条件の決定)
法14条2項、3項(有期労働契約の締結、更新及び雇い止め)
法24条1項(賃金の支払い)
法32条の3(フレックスタイム制)
法32条の4、32条4の2(1年単位の変形労働時間制)
法32条の5(1週間単位の非定型的変形労働時間制)
法38条の2第2項、3項(事業場外のみなし労働時間制)
法38条の3(専門業務型裁量労働制)
法38条の4(企画業務型裁量労働制)
法39条6項~8項(年次有給休暇の計画的付与、使用者の時季指定による年次休暇の取得)
法41条の2(高度プロフェッショナル制度)
法75条~88条(災害補償)
法89条~93条(就業規則)
法102条(労働基準監督官の司法警察権)
※1ヶ月単位の変形労働時間制、1ヶ月に60時間を超える時間外労働にかかる5割以上の割増賃金率の規定は、一般職の地方公務員に適用されます。
労働基準法第2条とは
一般職の地方公務員で適用除外となる労働基準法2条とは、どんな規程でしょうか。
労働基準法2条は、以下のような定めとなっています。
(労働条件の決定)
e-gov労働基準法より https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_1-At_2
第二条 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。
② 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。
一方で、地方公務員法で以下の定めがあります。
(この法律の目的)
e-gov 地方公務員法より https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261#Mp-Ch_1
第一条 この法律は、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員の任用、人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、休業、分限及び懲戒、服務、退職管理、研修、福祉及び利益の保護並びに団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営並びに特定地方独立行政法人の事務及び事業の確実な実施を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。
地方公務員の場合、労働条件は就業規則によって定められるのではなく、地方公務員法で定められます。
よって、就業規則に関する部分については労働基準法が適用除外とされています。
特別職の公務員
特別職の公務員については、労働基準法上の労働者に該当すれば、労働基準法が全面的に適用されます。
特別職の公務員とは、その地位や職務が特別の性格を持っているものを言います。
具体的には次の通りです。
特別職の国家公務員(国家公務員法第2条)
内閣総理大臣、国務大臣、裁判官、国会職員等
特別職の地方公務員(地方公務員法第3条)
地方公共団体の長等
これらの職にあるものが、労働基準法上の労働者に該当するでしょうか。
例えば、内閣総理大臣が誰かの指揮命令で働いて、その対価として賃金が支払われているとは思えませし、そうであってはいけないでしょう。
労働基準法上の労働者に該当しなければ、当然ながら労働基準法の適用はありません。
つまり、首相が深夜に働こうが、休日出勤しようが、残業時間がどんなに多かろうが、労働基準法上は問題にならないということになります。
今回は、 公務員に労働基準法は適用されるのか について書きました。
一般職の公務員については国家公務員法や地方公務員法という別の法律があるので、原則として、国家公務員は全部適用除外、地方公務員は一部適用除外になるということです。
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