目次
- 労働者私傷病報告書とは
- 報告事項の改正
- 電子申請義務化
令和7年1月1日から、 労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化 されています。
労働者私傷病報告書とは
事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内もしくはその付属建設物内における負傷、窒息または急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、所定の報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。その報告書が労働者私傷病報告です。
労働安全衛生法100条、労働安全衛生法施行規則97条の規程を根拠としています。労働安全衛生法100条は以下の通りです。
(報告等)
労働安全衛生法100条
第百条 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、登録製造時等検査機関等に対し、必要な事項を報告させることができる。
3 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
また、労働安全衛生法施行規則97条により提出期限は下図のように決められています。
労働災害 | 災害が発生した時期 | 提出期限 |
---|---|---|
死亡又は休業日数4日以上 | 遅滞なく | |
休業日数4日未満 | 1月から3月 | 4月末日 |
休業日数4日未満 | 4月から6月 | 7月末日 |
休業日数4日未満 | 7月から9月 | 10月末日 |
休業日数4日未満 | 10月から12月 | 翌年1月末日 |
報告事項の改正

これまで自由記載であった1,2,3,5について該当するコードから選択できるようになり、4については留意事項別に記入できるように記入欄が5分割されました。
1、事業の種類
2、被災者の職種
3、傷病名および傷病部位
4、災害発生状況および原因
5、国籍・地域および在留資格
コードから選択した方が、記入しやすいかと思います。また、4、についても項目別の方が書きやすいですね。発生時の状況を図示する略図は、データにて添付する形となっております。略図を手書き等で作成後、携帯電話等で写真を撮ってそのデータを添付してもいいようです。
電子申請義務化
電子申請の方法については、「安全衛生帳票入力支援サービス」が利用できます。検索すると該当ページにたどり着けます。
なお、パソコン端末を所持していない等の事情により電子申請が困難な場合には、当面の間、書面による報告も可能とされています。労働基準監督署によると、「当面の間とは、どのくらいの期間をさすのか」については、まだ決まっていないそうです。
提出を怠った場合には労働安全衛生法12条に基づく罰則の適用もあります。労働者死傷病報告を提出しなかったり、虚偽の報告をするといわゆる「労災隠し」という犯罪です。保険料が上がってしまう、といった、してもしょうがない心配をせず、きちんと報告しましょう。
そのほかの労働安全衛生法に関わる報告も電子申請が義務化されています。詳しくは、以下をご参照ください。
出典 厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/denshishinsei_00002.html