今回は、 就業規則(賃金規定)の賞与の規定はなくてもいいのか? について書きます。

目次
- 就業規則(賃金規定)の賞与の規定はなくてもいいのか?
- 退職金について
- キャリアアップ助成金の正規雇用労働者の位置付け
就業規則(賃金規定)の賞与の規定はなくてもいいのか?
就業規則には、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項があります。
絶対的必要記載事項というのは、必ず記載しなければいけない事項です。
もしその定めがないのであれば、定めてください、ということです。
相対的必要記載事項というのは、書いても書かなくてもいいというものではありません。
その定めがあるのであれば、書かなくてはいけません。

賞与については、臨時の賃金となりますので、相対的必要記載事項にあたります。
賞与の定めをするのであれば、記載する必要があります。
賞与を支給しない会社であれば、書く必要はありませが、賞与を支給する会社なら規定が必要です。
賞与の規定を作ってしまうとその通り払わなければいけないので、賞与の規定はない方がいい、という意見もあります。
また、求人募集には「賞与あり」と謳っていながら、就業規則には賞与の規定がない会社も実際にあります。
これについては、原則賞与を支給するのであればやはり規定は必要、と私は考えます。
賞与は支給するけども、賞与の定めはないから規定に書かなくていいんだ、という理屈もあるかもしれません。
しかし、その理屈で言うならば、他の相対的必要記載事項、例えば上の表の7番目の「制裁に関する事項」についてはどうでしょう。
制裁はするけれども制裁の定めはないから規定に書かなくていいんだ、ということは通りません。
従業員とトラブルになるでしょうし、仮に裁判まで発展した場合、負ける可能性が高いです。
ただ、賞与については、賞与規定がないのに賞与が支給されたとしても、従業員とトラブルにはなりにくいです。
「賞与の規程がないのに、賞与を支給するとはどういうことだ!」と怒り出す従業員はあまりいないでしょうし、ましてや裁判まで発展するケースはないでしょう。
そういう意味では、規定に書かなくても実務上のトラブルは起こりにくいとは言えると思います。
退職金について
退職手当についても同様の考え方です。
やはり、退職金について定めをする場合には記載する必要があります。
退職手当がない会社であれば、もちろん記載する必要はありません。
退職手当がある会社も多いことから、誤解が生じないようにあえて「退職手当はなし」と規定する会社もあります。
キャリアアップ助成金の正規雇用労働者の位置付け
キャリアアップ助成金の正規雇用労働者の定義の中に、「長期雇用を前提として、賞与または退職金制度の実施および昇給の実施が規定されていること」というものがあります。
この助成金の活用を考えている場合は、「賞与または退職金」どちらかが必要で、かつ「昇給制度」があることが条件になります。

以上、賞与規定について書きました。
賞与を支給するなら、賞与規程を作りましょう。
以下は、賞与の規程例です。

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