今回は、労働保険の対象者の範囲のうち、法人の役員以外の取り扱いについてです。
法人の役員については、こちらのブログも参考になります。

目次
- 同居の親族
- 出向労働者
- 派遣労働者と日雇い労働者
同居の親族
労災保険
事業主と同居している親族は、原則として対象者とはなりません。
ただし、同居の親族であっても、常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において、一般事務、または現場作業等に従事し、かつ次の条件を満たす者については、一般に私生活面での相互協力関係とは別に独立して労働関係が成立していると見て、対象者となります。
具体的な判断については、以下の要件を満たしているか否かとなります。
イ 業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。
ロ 就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。
特に、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等、また、賃金の決定、計算及び支払い方法、賃金の締め切り及び支払いの時期等について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。
雇用保険
原則として被保険者となりません。
ただし、次の条件を満たしていれば被保険者となりますが、公共職業安定所へ雇用の実態を確認できる書類等の提出が必要となります。
この場合、所轄公共安定所に「「同居の親族」雇用実態証明書」の提出も必要になります。
イ 業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。
ロ 就労の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。
特に、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等、また、賃金の決定、計算及び支払い方法、賃金の締め切り及び支払いの時期等について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。
ハ 事業主と利益を一にする地位(役員等)にないこと。
出向労働者
労災保険
出向労働者が出向先事業組織に組み入れられ、出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事する場合は、出向元で支払われている賃金も出向先で支払われている賃金に含めて計算し、出向先で対象労働者として適用します。
この場合、出向元から賃金明細をもらう必要があります。
雇用保険
出向元と出向先の2つの雇用関係を有する出向労働者は、同時に2つ以上の雇用関係にある労働者に該当するので、その者が生計を維持するのに必要な主たる賃金を受けている方の雇用関係についてのみ被保険者となります。
原則として出向元(賃金を払っている方)の被保険者となります。
派遣労働者と日雇い労働者
派遣労働者
労災保険
・派遣元: 原則としてすべての労働者を対象労働者として適用します。
・派遣先: 原則として手続きの必要はありません。
雇用保険
・派遣元: 次の要件を全て満たしていれば被保険者として含めます。
イ 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
ロ 31日以上の雇用見込みがあること
・派遣先: 原則として手続きの必要はありません。
日雇い労働者
労災保険
すべて対象者となります。
雇用保険
日々雇用される者、または30日以内の期間を定めて雇用される者のうち、日雇い労働で生計を立てている者は、日雇労働被保険者となります。
ただし、臨時、内職的な場合は該当しません。
今回は、 労働保険の対象者の範囲について【年度更新時は確認が必要】 でした。
年度更新時には確認が必要となりますが、特に出向労働者や派遣労働者の有無については無いと決めつけることなく、きちんと確認したいところです。
なお、平成29年1月1日から、65歳以上の労働者も雇用保険の適用対象となっていますが、令和元年度までは、経過措置として、64歳以上の高年齢労働者については雇用保険の保険料が免除されていました。
令和2年4月1日からは、この経過措置が終了し、64歳以上の高年齢労働者に支払われている賃金も雇用保険の算定対象となります。
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